引き金がカチッと鳴った。

空になったマガジンがまた取り出され、暗い石の床に落ちた。

これで弾薬を使い果たした。

もうライフルから撃ち出せるものはない。

レジルは武器を回転させ、こん棒かのように銃身を掴んだ。

微かな死の音が再び襲い掛かってきた。脆く攻撃的なそれは、膨大な数で接近し、敵を抑え込むかのような強い怒りを見せた。

ライフルの銃床が次々に頭蓋骨と接触した。

敵は怯んで倒れた。

それまでに襲い掛かってきた敵と同じように。

消し去った悪夢の山がレジルの足元でどんどん大きくなる。半分は骨で半分は埃に見える。

彼は平静だった。落ち着きを保っていた。

戦いの混沌でパニックになっている余裕はない。

彼はライフルを大きく振ったが、しっかり計算しながら振った。無駄な動きをしないように。

悪魔が彼の背中に爪を立てた。他の悪魔もそれに続いた。

その脆い体からは予想できないほど重い。

彼は肩をすくめて振るえた。振り返り、その悪魔のコメカミに銃床を強く叩き込んだ。その頭蓋骨が割れ、銃床がその下の濡れた白いものに深く入った。彼はライフルを引っ張って外そうとしたが、悪魔がどんどん集まるにつれ、捨て置く他なかった。

レジルは他の敵を床に蹴りつけ、足をその首に乗せたまま襲い来る集団に逆手打ちした。

あのライフルで... 戦場で使い慣らしたインフェルノで、この集団を少しでも始末し、これが一体どんな状況なのかを知る時間稼ぎができたら、彼のローズが終わりまで導いてくれただろう。

いつもそうだった。

敵の灰と血で染まったタイタン、レジルはハンドキャノンを引き抜き、そのまま流れるような動きで引き金を引いて最も接近していた獣を打ち倒した。

撃つごとに赤い光で洞窟が照らされる。薔薇がこの悪しき存在に、影の憎き王国にその怒りをぶつけ、赤い花畑を広げているようだった。

歯ぎしりする大量の口達の向こう側で、恐ろしい魔女が空中で踊っていた。

この様子を見ていた。

いや、待っているのか?

後から思い付いたかのように、レジルはハンドキャノンに弾薬を装填し、発砲準備をした。

再び集中砲火を浴びせ、悪魔をもう6体倒した。

魔女が危険な叫び声を放った。

そして、敵が素早くその姿を消した。戦闘開始が速ければ、撤退も速い。

微かな声がキーンとする怒鳴り声で静まったかと思えば、少し先の暗闇から不気味なハミングが聞こえる。

レジルは疲れた背中を真っ直ぐ伸ばし、ゆっくりと深呼吸した。

嵐はまだ静まっていない。

腹の中でそれを感じる。

彼はそこに立ち続けたが、平静を保つことはできなかった。だが、その目の中には、再び敵をかき乱そうという決心が渦巻いていた。

おぞましい魔女が笑った。不快で、きしむような金切り声。

それに足音が続く。重く、固い足音だ。

ズーン。

ズーン。

ズーン。

ズーン。

レジルはハンドキャノンの弾薬を入れ替えながら、目を細めて暗闇を見つめた。だんだん形が見えてくる。

大きく力強い化け物が、このタイタンを見下ろした。

人間の男性ほどに大きな剣を軽々と持っていた。

その体は固い骨で覆われていた。化け物の体と同化した生きたアーマー。

レジルは受け入れたかのように溜め息をついた。

口に出せないほどの重罪を抱えた人間かのようにこの化け物は歩く。ぎこちなく、ゆっくり。だが、その歩みは不思議に悠々としている。

レジルには、この歩み寄る化け物が堂々としているように見えた。古代の屈辱を受けた騎士とは違っていた。

もしかすると、かつては英雄的な存在だったのかもしれない。

もしかすると、この影の中では、おぞましい魔女やその腐った兵士達の目には、この化け物は今でも英雄なのかもしれない。奴らが求める邪悪な目的を果たしてくれる闇の英雄...

レジルはこの考えに興味をそそられた。

彼は戦うためにここに来た。そこで見つけた敵はまだ伝説の存在で、何かの間違いだと思いたかった。そして、奴らは彼を「手厚く歓迎」してくれている。

彼はヘルメットの下でふっと笑い、ローズをハンターのように手の中で回した。そして、狙いを定め、発砲した。

怒りの花が再び暗闇を染めた。

6発。真ん中に当たった。

だが、レジルの弾丸は黒光りした壁で止められてしまった。

騎士のような化け物が何もないところからシールドを作り出したのだ。

この化け物の魔術を理解できなかった。それが暗黒魔術なのか、想像を絶するテクノロジーなのか、それともその2つを組み合わせたものなのか。だが、レジルは気にしなかった。彼は弾薬を詰め替え、この得たいの知れない化け物との戦いに備えた。

不可解なシールドが消えると、化け物は持っていた剣を頭上に掲げ、おぞましい怒鳴り声を上げた。これが地獄の喊声というものか。

レジルは化け物の挑戦を受けた。

彼はローズをしっかり握り締め、前進した。

影の怒りと正面衝突した。

—-

レジルが月の下の暗い回廊から光の当たる場所へ戻ってきてから2日が経った。彼のゴーストは何度も詳細を求めた。あのおぞましい魔女、そして彼女が約束した苦痛について、全てを知りたかった。




心を持たない微かな死の大群についても。

骨をアーマーとして身に付けた騎士やレジルの壮絶な戦いについても。

ゴーストは興味をそそられながらも、ひどく心配していた。月の下にいる化け物達が活発で、人類に気づいているなら、シティに警告をする必要がある。レジルもそれに賛同した。

静かで孤独な月の地平線から再び地球が昇るのを見ながら、レジルとゴーストは故郷への帰還を話し合い、その際レジルは左腰の袋から骨の破片を取り出した。光の向こう側に悪が潜んでいるという証であり、あのおぞましい魔女の番いとなるはずだった騎士の残骸。

彼はもう一度闇の中での出来事を思い出し、ホルスターからローズを取り出してその鉄でできた枠組みに骨をつなげた。また1つ戦いに勝ち、そこで手に入れたトロフィーとして。

—-

最初の囁きが聞こえ、その骨の歪んだ目的が明らかになったのは、ずっと後のことだった。