これらスパイアは鳥のように、ピンク色に染まった埃だらけの空に高く聳え立っている。私はその光景に驚愕している。ここが私の新しい故郷となる。幼い少年の頃から、この温かく赤い光を放つ惑星を望遠鏡で見ては夢見ていた。人口が増えすぎてしまった地球にとっても希望の星だ。

地球の抱える問題は、私の研究で全て解決することができる。この研究室で、私自身が作った仕様書の通りに、私が直々に選んだチームが開発を進めた。このナノロボットは建設にかかる時間を半分、3分の1、いや4分の1にさえも短縮してくれ、そして入植者の死傷数も減らしてくれる。太陽系中に、果ては他の星々にコロニーを広げる手助けとなってくれるだろう。我々の最初の複製施設はコスモドローム付近にあり、コロニーシップに貨物を積み込む準備ができている。

ウィラ・ブレイ博士が直々にお祝いを言いに来てくれた。

「すぐに活動の場を広げられるでしょう」と言ってくれた。「現在シラジ研究所が使っている建物にも」

「あなたは別の場所へ異動ですか?」と私は聞いた。

「他のプロジェクトに移るんです」

「私には、この場所以外あり得ません」と私は言った。