お前はクロタ。ワシの息子だ。歓迎する。
お前を作るために、多大な力を使った。ワシの裏切り者の妹達と戦い、アッカの骸と戦い、略奪されたワシの審判、聖戦に戻ってきた。サバスンに戦争を仕掛け、その貢ぎ物を台無しにしてワシに二度と楯突けなくした。シブ・アラスを騙し、その貢ぎ物を毒に変えてワシの石版を奪えなくした。ワシの血族を懲らしめ、ワシがハイヴの頂点として、玉座に安心して座れるようにした。そして、子供を成す母を見つけた。
その子供の1人がお前だ。
お前の命も戦いとなる。聖戦で己の地位を勝ち取れ。ワシからは何も与えぬ... ただ、この剣だけはお前の最初の剣として与えてやろう。そして、お前のために用意したこの名前も。
我々は偽りの希望と戦った、クロタ。トラベラーと呼ばれる神を追いかけている。若い命を誘い込んで「家」を造らせる偽りの神だ。この「家」は安全な場所ではない。ワシのハイヴに太刀打ちできぬ。これら「家」は罠だ。若い命を生存の道具、昇華の方法である刃と牙から遠ざける。
トラベラーが消え去って初めて、宇宙は自由にその形を変え、無慈悲な争いによってその最後の完璧な形状に変わることができる。自分以外の何にも頼らぬ形状に。
だからこそ、ワシはお前をクロタと名づけた。希望を喰らいし者と。
ワシには誓いがある、息子よ。忌々しいタオックスに対する誓いが。これはお前に与えるものではない。これはワシが、お前の父が持つもの。
さて、お前の叔母と叔父に会いに行くぞ。
XXXVI: 希望を喰らいし者
4:6節 — 希望を喰らいし者
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