バリクスはベスタ基地を囲むシールドを見上げた。薄いエネルギーの繊維でできたこのシールドはほぼ視覚で捉えることはできないが、空洞の多いケッチ・ハルの境界内に熱と大気を閉じ込めてくれる。バリクスはこの光景を見て思考にふけりながら口を少し開け、そして閉じた。

バリクス(独り言): ウィンターを追いかけ、デビルズとキングスも追いかける。力を求める。キングスには拒絶された。キングスのケルは隠れるのがうまい。もしかすると、奴なら大いなる機械を取り戻せるかもしれない。もしかすると、俺は選択を誤ったかもしれない。今からでも遅くは――

ぺトラ(通信を通して): バリクス、クロウ達からの報告だ。スコラスがイシュタルシンクに戻ったそうだ。ベックスのネットワークを狙っているらしい。

バリクス: 分かった。すぐに仕事に取り掛かる。