火星では、ヴァーゴ・プロヒビションと呼ばれるベックスのサブタイプとカバルとの間で広範囲に及ぶ衝突が続いている。この攻撃的かつ無慈悲なベックスは己の被害を気にせず、カバルの排他エリアに絶えず攻撃を仕掛けている。

ベックスから猛攻を受けながらもカバルは何とか足掛かりを拡大し、謎に包まれたベックスの建造物をいくつか手中に収め、差し当たり、プロヒビションの戦略は失敗に終わったように見える。

しかし、ベックスのような純粋にコンピューター的思考しかない組織が消耗戦で消え去っていくとは考えにくい。ベックスはカバルの戦力を吸い出そうとしているのか?あるいは、表面的な敗北はただの陽動作戦なのだろうか?

イコラ・レイは、アルゴリズムとしてベックスの部隊を捉えるべきだと提唱している。すなわち、それぞれのベックスが行動反応に対する固有の入力マッピングを形成している、というように。もしかすると、ヴァーゴ・プロヒビションは単にその環境には誤ったアルゴリズムで、その失敗によってさらに大きなベックスのネットワークを適応と改善に向かわせることになるのかもしれない。